カナダの永住権を取得するために、英語力はどのくらい必要？

▷ この記事では、以下について詳しく解説しています。

移民プログラム別の英語力の要件は？
言語能力試験 (IELTS・CELPIP) の結果の有効期間は？
CLBとは何のこと？
まとめ

カナダの永住権 (PR) を取得するには、一般的に、英語またはフランス語のいずれかの公用語に堪能であることが必要です。具体的な英語力の要件は、申請する移民プログラムによって異なります。

たとえば、Federal Skilled Worker Program（FSWP）に申請する場合、「Canadian Language Benchmark（CLB）」のレベル7以上を取得する必要があります。他の移民プログラムでは、英語力の要件が異なるので、詳しくは、移民弁護士または移民コンサルタントに相談することをお勧めしますが、ここではカナダ連邦移民局 (IRCC: Immigration, Refugees and Citizenship Canada) のウェブサイトの情報をもとに、カナダで永住権を申請する際に求められる、一般的な英語力の要件について解説します。（2023年時点での情報を元に提供。）

■ 移民プログラム別の英語力の要件は？

カナダ連邦移民局 (IRCC) のウェブサイトでは、以下に示す３種類のエクスプレス・エントリー（Express Entry）について、移民プログラム別に言語要件を示しています。

カナダでは英語とフランス語が公用語であるため、英仏どちらかの言語において要件を満たすことができればクリアとなりますが、ここでは英語力の要件のみを取り上げます。

英語試験については、以下の２つの試験がカナダ連邦移民局 (IRCC) によって認められています。

CELPIPの場合は「General」を、IELTSの場合は「General Training」を選択することに気をつけてください。

IELTS、CELPIPの試験はどちらも２種類の異なるタイプの試験がありますので要注意です。

CELPIP (Canadian English Language Proficiency Index Program) – General Test
IELTS (International English Language Testing System) – General Training Module

フェデラル・スキルド・ワーカー・プログラム (Federal Skilled Worker Program)

英語力の要件・・・CLB 7 以上（全セクションにおいて）

CELPIP（CLB７に換算）

Reading 7, Writing 7, Listening 7, Speaking 7 (CELPIP)

IELTS（CLB７に換算）

Reading 6.0, Writing 6.0, Listening 6.0, Speaking 6.0 (IELTS)

カナディアン・エクスペリエンス・クラス (Canadian Experience Class)

英語力の要件・・・国家職業分類システム (NOC) で分類されているグループによって異なる。

TEER 0 or 1　→　CLB 7 以上（全セクションにおいて）

CELPIP（CLB７に換算）

Reading 7, Writing 7, Listening 7, Speaking 7 (CELPIP)

IELTS（CLB７に換算）

Reading 6.0, Writing 6.0, Listening 6.0, Speaking 6.0 (IELTS)

TEER 2 or 3　→　CLB 5 以上（全セクションにおいて）

CELPIP（CLB５に換算）

Reading 5, Writing 5, Listening 5, Speaking 5 (CELPIP)

IELTS（CLB５に換算）

Reading 4.0, Writing 5.0, Listening 5.0, Speaking 5.0 (IELTS)

フェデラル・スキルド・トレード・プログラム (Federal Skilled Trades Program)

英語力の要件・・・以下に示す通り、セクションによってCLBが異なる。

スピーキング、リスニング　　→　CLB 5 以上

リーディング、ライティング　→　CLB 4 以上

CELPIP（スピーキング、リスニングをCLB５に、リーディング、ライティングをCLB４に換算）

Reading 4, Writing 4, Listening 5, Speaking 5 (CELPIP)

IELTS（スピーキング、リスニングをCLB５に、リーディング、ライティングをCLB４に換算）

Reading 3.5, Writing 4.0, Listening 5.0, Speaking 5.0 (IELTS)

■ 言語能力試験 (IELTS・CELPIP) の結果の有効期間は？

カナダ連邦移民局 (IRCC) のウェブサイトによると、「永住権の申請書を提出する時点で、言語能力試験の結果が 2 年以内である必要がある」と書かれています。

How long language test results are valid for

Your test results must be less than two years old when you submit your application for permanent residence.

参考: https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/immigrate-canada/express-entry/documents/language-requirements.html

また、IELTSやCELPIPなどの試験結果の原本は、永住権の申請の際に非常に重要な書類となりますので、保管には注意しましょう。念のために、試験結果の原本は受け取ったらすぐに両面をスキャンして、データでも保存しておくことをお勧めします。

■ CLBとは何のこと？

CLBとは「Canadian Language Benchmarks」の略で、カナダで成人の英語能力を測定する際に用いられている評価システムです。 CLBは、基本的な習熟度から高度な習熟度まで、全12段階のレベルに分けられています。ベンチマークは、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングの 4 つの言語スキル領域に分類されます。

CLBの評価は、IELTSやCELPIPなどの言語能力試験とも照合することができます。

カナダの永住権を取得する際の英語力は、申請する移民プログラムによって異なりますが、一般的には、上記に示すとおり、CLB５以上、もしくは、CLB７以上の英語力が必要とされています。

参考: https://www.language.ca/resourcesexpertise/on-clb/

■ まとめ

カナダの永住権取得を目指す場合、言語能力試験 (IELTS・CELPIP) において上記に挙げたような一定のスコアが求められます。移民プログラムに応じて求められるスコアが異なるという点に注意してください。また、言語能力試験には有効期間があるので、永住権の申請をする時点で、試験が有効かどうかを確認しながら準備されるといいでしょう。さらには、IELTS、CELPIPの試験はどちらも２種類の異なるタイプの試験があるので、正しいタイプを選択しているかの確認も忘れずに。カナダの永住権取得を目指して英語学習をされる方のヒントになれば幸いです。