IELTSアカデミックと、IELTSジェネラルは、何が違うの?
IELTSは、英語能力を測定するための国際的な英語試験で、この10年で日本での認知度も高まってきたように思われす。IELTSは、英語を母国語としない人々の英語能力を客観的に評価するために使用され、海外への進学や留学、外国での就労などの機会に用いられます。
英語指導のプロが解説します。
今回はIELTSの2つの試験形式について説明します。
IELTSには、
IELTSアカデミック(IELTS Academic)
IELTSジェネラルトレーニング(IELTS General Training)
の2種類の試験があります。
以下にそれぞれの試験形式の違いを説明します。
■ IELTSアカデミック(IELTS Academic)とは?
IELTSアカデミックは、大学や教育機関での学術的な進学や専門職への就職を目指す人々向けに設計された試験形式です。
この試験では、学術的なリーディングとライティングのスキルを測定します。例えば、大学の授業や論文などの学術的な文書を理解する能力や、アカデミックなトピックに関するエッセイを書く能力を測定します。
アカデミックなコミュニケーションスキルを持つ人々を対象としており、大学進学や学術研究を目指す人々が受験します。
■ IELTSジェネラルトレーニング(IELTS General Training)とは?
IELTSジェネラルトレーニングは、一般的なコミュニケーション能力や就労や移住など、一般的な目的に関連する英語のスキルを測定するために設計された試験形式です。
この試験では、日常的な状況でのリーディングやライティングのスキルを測定します。例えば、広告や手紙、案内文などの非学術的な文書を理解する能力や、日常的なトピックに関するエッセイを書く能力を測定します。
移住や職場への就労を目指す人々や、英語圏での生活や一般的な社会的な目的で英語を使用する必要がある人々が受験します。
カナダでは、永住権申請の際に英語力を証明する試験として、カナダ移民局 (IRCC)により公式に認められている試験です。
要するに、
IELTSアカデミックは学術的な目的を持つ人々を対象とし、大学進学や学術研究に関連するスキルを測定します。
一方で、IELTSジェネラルトレーニングは一般的な目的を持つ人々を対象とし、日常的なコミュニケーションや就労、移住などのスキルを測定します。
■ 試験形式の違いは?
IELTSの試験では、IELTSアカデミック、IELTSジェネラルトレーニング、どちらの試験も、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのセクションから構成されています。
ただし、IELTSアカデミックとIELTSジェネラルトレーニングの試験では、リーディングとライティングのセクションにおいて違いがあるため、受験をする際には問題の内容や形式の違いに注意してください。
なお、リスニングとスピーキングのセクションは共通問題ですので、形式に違いはありません。
以下に、各セクションの詳細を説明します。
1.1. ライティング(IELTSアカデミック)
Task 1では、データを分析・比較し、それを説明する能力、もしくは物事の過程や手順を説明する能力が問われます。
Task 2では、、ある問題に対してどのような意見を持っているかを説明します。問われるのは、根拠や例を挙げて比較検討しながら、筋道を立てて自分の主張を展開し、説得力をもたせる力です。
1.2. ライティング(IELTSジェネラルトレーニング)
Task 1では、私的な文書を書く課題が出されます。必要な情報を盛り込み、要求や希望、意見や不満などを表現する力が問われます。
Task 2では、必要な情報を記述したり、問題を提示し、その解決策を示す力、自分の主張を述べ、説得力を持たせる力、また意見や根拠、論点を正しく評価し、反論する力が問われます。
2.1. リーディング(IELTSアカデミック)
文章を読んで理解する能力がテストされます。
文章は書籍、専門誌、雑誌、新聞などからの抜粋で、学術的なトピックに関して一般読者向けに書かれたものです。
2.2. リーディング(IELTSジェネラルトレーニング)
日常生活に関連する文書を読み理解する能力がテストされます。
テストでは、広告、本、雑誌、新聞などさまざまな文書が使用されます。
3. リスニング(共通問題)
録音された会話やモノローグを聞いて理解する能力がテストされます。
日常的な会話やアカデミックな講義、インタビューなどの様々な音声が使用されます。
4. スピーキング(共通問題)
実際の対話形式での英語能力がテストされます。
テストは個別の面接形式で行われ、個人の経験や意見、意見の表明、議論などについて質問されます。
■ まとめ
上記の通り、IELTSには、IELTSアカデミックとIELTSジェネラルトレーニングの2つの試験があり、内容や問題構成が異なるパートがありますので、受験の際には注意してください。どちらの試験を受けるかは、求められているニーズによって異なりますので、まずは自分がどちらの試験を受ける必要があるのかを確認し、それぞれの試験形式や内容に応じた試験対策を行うことをおすすめします。
参考(References)
"Information for Candidates"「アイエルツ日本語受験者向け情報」(2020)
https://www.eiken.or.jp/ielts/test/pdf/information_for_candidates_jp.pdf
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